長時間の移動中、本書を読もうと思い、
近所の本屋さんに寄ったが、売り切れていた。
変わりに同氏の作品で、
まだ読んでいない「スプートニクの恋人」を購入し、
車中で読むことにした。
読了後、アマゾンに寄せられた読者のレビューを読んでみると、
本書は不評である。
私もそう思った。が、同時に、作者の練習のつもりで書いた感じが、
何となく分かる興味深い一作でもある。
この作品を経なければ「海辺のカフカ」は生まれなかったと思うし、
すみれの容姿はバルザック、
僕の性格の描写はフィッツジェラルド(グレイト・ギャツビー)、
最後の僕とニンジンとの会話のやり取りは、
レイモンド・カーヴァー(ささやかだけれど、大切なこと)を、
同氏なりに練習のつもりで書いた、、、少なくとも、私には、そう思えたわけネ。