鳥巻メモ

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性善説


子どもが井戸に落ちそうなとき、
自然に助けようとするじゃないか。


『孟子』の中で、孟子は、この例えを出して、
ひと本来の性(性善説)を唱える。


とは言っても、人は悪いことをするじゃないか、
という疑問は、当然残る。


それに対し、孟子は、以下のように答えている。


人の善というのは、
水が高いところから低いところに流れるように自然なものである。


だが、水を打てば、はねあがるように、
人の心持ちも外的な力により歪められ、不善をなしてしまう。



人の性の善なるは、猶水の下きに就くがごとし。人善ならざることあるなく、
水下らざることあるなし。今夫れ水は、博ちて之を踊らさば、額を過ぎしむ
べく、激して之を行れば、山に在らしむべし。是れ豈水の性ならんや。其の
勢い則ち然るなり。人の不善を為さしむべきは、其の性も亦猶是のごとけれ
ばなり。『孟子』告子章句上(一)

さらに、



曰く、恒産無くして恒心無ければ、放辟邪侈、爲さざる無し。罪に陷るに及び
て、然る後従いて之を刑するは、是民の罔するのみ。梁恵王章句上(七)


以上、『孟子』(小林勝人/岩波文庫)より引用