子どもが井戸に落ちそうなとき、
自然に助けようとするじゃないか。
『孟子』の中で、孟子は、この例えを出して、
ひと本来の性(性善説)を唱える。
とは言っても、人は悪いことをするじゃないか、
という疑問は、当然残る。
それに対し、孟子は、以下のように答えている。
人の善というのは、
水が高いところから低いところに流れるように自然なものである。
だが、水を打てば、はねあがるように、
人の心持ちも外的な力により歪められ、不善をなしてしまう。
人の性の善なるは、猶水の下きに就くがごとし。人善ならざることあるなく、 |
さらに、
曰く、恒産無くして恒心無ければ、放辟邪侈、爲さざる無し。罪に陷るに及び て、然る後従いて之を刑するは、是民の罔するのみ。梁恵王章句上(七) |
以上、『孟子』(小林勝人/岩波文庫)より引用