いぜん、上方の浮世絵の解説を書いていたことがある。
葛飾北斎や安藤広重といった江戸の浮世絵に比べると、
上方のそれは、大阪弁でいえば、コテコテである。
その際には、上方の様子について知ろうと思い、
申しわけていどに(やっつけみたいに)書籍を読んだ。
こちらは、元禄時代まで、さかのぼるが、
井原西鶴の著作を、面白く読んだ記憶がある。
最近になって、同時代の荻生徂徠の本を、
現代文で読んだ。
元禄時代は、すでに商品経済が発達していて、
インフレについても、ちゃんと意見が述べられている。
戦国時代が一段落して、元禄時代くらいになると、
ひと昔、貧乏だった庶民も、贅沢をし出し、
やれ、なにがほしい、やれ、あれがほしい、
となったわけである。
かつては一部の人だけだったけれど、
多くの人が、ものをほしがるようになるわけだから、
モノの値段が上がっていくわけだ(なるほどなぁ)。
現在は、新興国の経済が急進しているという。
これは、日欧米だけでなく、あらゆる国の人たちが、
今度は世界規模で、やれ、なにがほしい、やれ、あれがほしい、
が始まるわけだから、モノの値段は当然上がって来ると思う。
さらに、そういうニーズがあれば、
お金に目ざとい投資家たちは、日米の安い金利でお金を調達して、
モノの先もの買い(空売りとか、空買いとか、何のこっちゃ?)で、
ガソリンやら、砂糖やら、モノの価格上昇を助長させていくという。