鳥巻メモ

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根岸の鶴


子規の随筆集に、住まいから鶴の声が聞こえる、
という一文がある。


子規は、根岸(鴬谷)に住んでいたので、鶯なら分かるが、
鶴というのは意外である。


もし随筆を読んでいなかったら、
上野動物園の鶴の朝の鳴き声かな、と思わなくもないが、


声は、普通の屋敷から聞こえたというのである。
すなわち、当時は、飼い鶴がいたのである。


初空へ つつとのべけり 鶴の首(明治27年)


ちなみに、現在、根岸には鶴はいないようである。
入り組んだ路地を持つ根岸は、猫が住みやすそうな街ではある。