2009-06-08 根岸の鶴 子規の随筆集に、住まいから鶴の声が聞こえる、 という一文がある。 子規は、根岸(鴬谷)に住んでいたので、鶯なら分かるが、 鶴というのは意外である。 もし随筆を読んでいなかったら、 上野動物園の鶴の朝の鳴き声かな、と思わなくもないが、 声は、普通の屋敷から聞こえたというのである。 すなわち、当時は、飼い鶴がいたのである。 初空へ つつとのべけり 鶴の首(明治27年) ちなみに、現在、根岸には鶴はいないようである。 入り組んだ路地を持つ根岸は、猫が住みやすそうな街ではある。