文章の好みは、人それぞれだろう。
僕のばあい、写実的な文章が好きである。
概念的なことでも、ものを、つかむような書き方、
たとえば、鴎外の文章は、いいなぁと思う。
逆に、自然主義あるいは私小説的な文章は、
どうも、苦手である。
ところで、連休を利用して、
正岡子規の随筆集を味読した。
一部分を抜粋し、備忘録としておこう。
写生という事は、 この手段によらなくては 写生といふ事を浅薄な事として排斥するのであるが、 理想の作が必ず悪いといふわけではないが、 理想といふ事は人間の考を表すのであるから、 それに反して、写生といふ事は、 理想といふやつは一呼吸に屋根の上に飛び上がろうとして 写生は平淡である代わりに、さる仕損ひはないのである。 |