市場にモノが不足し、インフレになった場合、
政府は、値段を下げる政策を行なうべきである。
一見、正しそうだけれど、逆である。
政府は、モノを買い上げ、値段を上げると良い。
なぜなら、出し惜しみする供給サイドが、
(儲かるわけだから)モノを市場に出すし、
一方、需要サイドも、
値段が高すぎるので、買い控え、モノを買わなくなる。
要は、市場にモノが流れるようになり、
値段が下がるという。
ただし、
強いてモノの値段を上げれば、マスコミも世論も
ダマっていないし、
実際に、しばらくの間、
消費者に我慢を強いることになるから、
現在では、実効性が薄いだろうよ。
遠い昔、こんな逸話がある。
豊臣秀吉は、飢饉のとき、米を買い占めた。そして、
諸士がお粥を食い、庶民が粟稗を食べるような状況になった時、
蔵を開き、徐々に米を放出した。その結果、餓死者が一人も出なかった。
これは、需要を減らしてから、供給を増やした一例だよね。
「江戸の先覚者たち」(山本七平)より孫引き