いま僕たちが目にする木々の多くは、
じつは、人間の都合で植えられたものだという。
それは、本来の自然からすると、不自然である。
それに対し、
宮脇昭氏は、潜在自然植生という概念を唱える。
潜在自然植生とは、
「すべての人間活動を停止したときに、
その土地の自然環境条件の総和が最終的に、
どのような植生を支えうるかという理論的な自然植生」をいう。
実際に、宮脇先生の手がけた植生は、
新日鉄の工場や一部のジャスコの敷地内、
禅宗で有名な綜持寺、万里の長城や東南アジア各地など、
総計3000万本に及ぶ。