バラク・オバマは、2008年の米大統領選で、
スマートグリッドを政策の優先綱目に上げた。
その背景には、アメリカの電力事情がある。
同国の電力系統は弱く、大停電が頻発している。
送電線を新たにするには、膨大な資金が必要なため、
IT技術を使った電力系統を、最適に運用しようと考えた。
日本は、他国に比べ、電気系統は安定している。
その点では問題がないのだが、
ここに来て、新しい課題が持ち上がった。
京都議定書の定める
温室効果ガス削減目標を達成するため、
火力発電の使用を抑える必要があるし、
となれば、必然的に、風力、太陽光といった
再生可能エネルギーの利用に焦点が当たる。
ただ、風力発電や太陽電池は、
天候により発電量が変動するため、
既存の電力系統には馴染まない。
(後述する)
日本では、
この課題をクリアするために
スマートグリッドが注目されている。
(つづく)