東京をおもふ、谷崎

谷崎潤一郎
「東京をおもふ」という随筆がある。


箱根に逗留していたとき、
谷崎は、大きな地震に遭う。


東京は、箱根の比ではなく、
火の海になっているに違いないと思う。


在京の妻子の焼ける姿を表象する一方で、


当時、西欧かぶれしていた谷崎は、復興後の
近代化した東京を、夢想する。


それから十年、谷崎は、
被災後、住み続けた関西の視点から、東京を書き綴った。


文脈からすれば、
復興した東京は、被災時に夢想した姿と
程遠いものになった、という展開になりそうだが、
それは、数行書かれているだけである。


東京人(谷崎もそうだが、生粋の東京生まれの人)というのは、
キザで、か弱く、顔色が悪く、見栄っ張りで、陰翳があり、、、


といったふうなことを、老齢になった谷崎は、
ネチネチと書きつらねている。


陰翳に関して言えば(個人的には、そう思わないが)、
東京は東北の入り口であり、人も食べ物も、
東北の物悲しさ引きずっている、とも言っているんだ。


今回の大震災に際して、
東京と東北が、つながっていることを実感したが、
ま、これは、関係ないか。