人間が自然災害対策を行なう場合、
様々な様相を持っている自然から、
都合の良いものだけを抽出している。
原子核のような近代科学技術なら、
普遍的な議論が可能であるが、
たとえば、台風ともなれば、
時間や場所、さらには歴史、
人間同士の関わりを抜きにして、考えられない。
だが、現在、近代科学的な見方は主流を占めており、
誕生・成長・消滅の新陳代謝が強い、
本来、適用してはならない現象にまで援用しがちである。
水害には合わない方が良い。
だが、水害を完全になくすことはできない。
逆に、その理想の追求が、自然の破壊をもたらしてしまう。
そうだとすれば、
水害対策のための発想を変え、
ある程度、水害と共存できる方向に向かう方が
良いのはないか。