ロイド・モーガンという人を御存知か。
いや、御存知でない。小生も同様である。
漱石の「文学論」の中の引用で、
その名を知るのみである。
「文学論」の冒頭で、
漱石先生は、この御仁の言葉を引用しておられる。
(難解なので、2、3ページで挫折してしまったが、
ここまでは、読んでいるのであります)
「意識の任意の瞬間には種々の心的状態絶えず現はれ、
やがて消え、かくの如くして寸刻と雖も其内容一所に滞ることなし」。
(修善寺での療養中、大量の吐血により、死の淵をさまよった)修善寺の大患以降、
漱石の作品は、エゴを描き出すためか、心理の揺れの描写が目立つのだが、
とりわけ、晩年の大作「明暗」は、他に比べて、緻密になっているように思える。
当作品を読んだとき、
オレは、モーガン氏の上記の言葉を思い出したんだなぁー。