燃料電池(はじまりから、アポロ搭載まで)2


●ベーコンによる実用化の糸口


グローブの発見から、おおよそ1世紀、
燃料電池の実用化に大きく貢献した人物が現れます。
イギリスのF・ベーコンです。


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1930年代、F・ベーコンは、
今まで使われていた高価な白金に代え、
安価なニッケルを触媒として使用しました。



また水溶液には、酸性ではなく、
アルカリ性の水酸化カリウムが採用されました。
触媒が酸化しないよう、配慮されたわけです。



さらに下の図のように、
電解質側の触媒の粒子を小さく、
電極側の粒子を大きくすることで、
電解質が電極まで浸透することを防止しました。


水素側と酸素側の圧力の差をなくすために、
電解質側に気圧が吹き抜ける工夫も施されています。


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  負極            正極


この研究は、約20年間続けられ、
1952年には、特許を取得しました。
いわゆる「ベーコン電池」と呼ばれるものです。


1959年には、「ベーコン電池」により、
5Kwの溶接機を作動させることに成功しています。




●アメリカでの開発


さて、ベーコン以後、
アメリカでも、燃料電池の実用化が試されます。


ユニオン・カーバイド社は、
燃料電池を動源とするバイクや
携帯用陸軍レーダーを開発し、
1959年には、アリスチャーマー社が
燃料電池を搭載したトラクターの
デモンストレーションを行っています。


この燃料電池は、1008個のセルを持ち、
出力は15Kwでした。
その他にも、同社は燃料電池付きの
ゴルフカートやフォークリフト
製作に成功しています。


(つづく)


執筆   有限会社 鶴巻事務所
イラスト 長嶺デザイン事務所