丸山真男の『「文明之概論」を読む』(岩波新書)では、
古典を読む際の心構えが記されている。
「先入観」と「早呑込み」の排除である。
抜粋させて頂こう。
福沢から一例をとれば、彼は「愚民観」を脱しなかったので、 民主主義として不徹底だった、というようなイメージです。 そういうイメージは流通度に比例して手垢がついて、 ですから、あなたのいう「民主主義」とは何か、 |
さて、古典を読み際に、先入見とならんで最大の敵は 「早呑込み」の理解です。(そうして多くの場合、早呑込みは 先入見と結びついてしまいます。) その意味では、一をきいて十を知るという私たち日本人の ある命題に出会うと、すぐ連想が働いて、ああ、例のあれだな、 |