うひ山ふみ


たまたま本郷の古本屋で、ほしかった書籍を見つけた。
個人的に、とても参考になった。以下の言葉は金言なのだ。


文義の心得がたきところを、はじめより、一々に解せんとしては、
とゞこほりて、すゝまぬことあれば、聞こえぬところは、まづそのまゝにて過すぞよき。


殊に世に難き事にしたるふしぶしを、まづしらんとするは、いといとわろし、
ただよく聞こえたる所に、心をつけて、深く味ぶべき也。


こはよく聞えたる事也と思ひて、なほざりに見過せば、すべてこまかなる意味もしられず、
又おほく心得たがひ有て、いつまでも其誤をえさとらざる事有也。


うひ山ふみ」(本居宣長