とりまきの独白2


写植からMacへの移行期、両者の文字は併存していた。


その頃、とりまきは、写植オペレータと共同で、
南青山に事務所を借りるという、ヘンテコなスタイルを取っていて、
当時の文字事情について、意見交換したことを記憶している。


オペレータ曰く「Macみたいな、きたなくて、行間もツメられない
文字なんか、普及するわけねぇよなぁ」ということだったナ。


現在、手持ちの刷り物で、写植文字とMacの文字を比べてみると、
なるほど、前者の方が、紙になじむように美しい。が、しかし、
それにも関わらず、写植文字は淘汰されてしまった。


なぜか…!? それは、Macの文字が時間とともに質的に向上し、
読者の潜在的な許容範囲に行き着いたからだと思う(その程度なら気にならないよ)。


で、この改善により、今までは当たり前だった写植費に「?」が点滅し始めた。
まぁ、いままでライターと写植オペレータでやっていたことが、
ライターだけですむようになったわけだからサ。
なんだか、ドライな話に、なっちまったなぁ。
(つづく)


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