ウマの指

君はウマを見たことがあるか。俺はある。


優しい目をしていて、それぞれの足の指は、ひとつしかない。
もったいぶった言い方をしたが、いわゆる、ヒズメだ。


ウマの指は、もともと、ひとつではなかった。
人間と同じく5本あり、それが3本になり、
最後に、現在のように1本になった。


ダーウィンの「突然変異」や「自然淘汰」と
いうアイデアを引き合いに出せば、


あるとき、突然、ヒズメのウマが生まれ、
他のウマより早く走れることが有利に働いて生き残り…


かくして、ヒズメ・ウマくんたちは、
各地域まで駆けていったのである、パカパカ、
となりそうだ、


が、これは違う。


今西錦司の「進化とはなにか」によると、
このことは、ひとつの地域だけで起ったのではなく、
ヨーロッパ、アメリカ、アジアで同時に起ったと
されている。


では、なぜか。


それは、はじめから、そういうふうになっていて、
「なるべくして、なった」のだという。おぉ。


(このことについて、もう少し書いてみたい。
 ただ気持ちはあるのだが、
 中途半端な理解のため書けないのであった)