円はどこに行くのか

政治と経済のことは、
よく分からない。


なので、信頼できそうな人を
決めてしまって、折りに触れて、
その方の記事を読むことにしている。


政治なら与謝野馨氏、
そして、経済なら行天豊雄氏といった
ところである。


で、休日は、行天氏の著書
「円は、どこへ行くのか」を読んでみた。


オイルショック当時、
国際金融の最前線で活躍された方だけに、
原油高の昨今、その当時のお話は、とりわけ造詣が深い気がする。


例えば、こんなことだ(要約:とりまき)。


マネーは、産油国に勘定が移り、
置き場所が変わっただけで、なくなったわけではない。
急にお金が入ってきた産油国は、使い道がないので、
どこかに投資するなり、貸したりするようになる。


石油の値段が上がることは、
インフレ要因なのだが、
一方では、国内から産油国にお金が流れる
(つまり国内のお金が少なくなる)のだから、
デフレの要因にもなる。


ところで、以下は、本日の日経ネット版に掲載されていた記事。
サン・プロで紹介されていた内容と同じだと思う。
日経新聞の滝田洋一氏の主張として紹介していたな、たしか。



資源高の影響を受け、日本の所得の海外流出が米欧と比べても突出して進んでいる。
所得の実質的な流出額は2008年1?3月期に年率換算で26兆円と1年前の1.6倍に膨らみ、
今後も広がる見通し。


資源高で産油国などへの輸入支払いが増える一方、電子機器や自動車などの輸出価格に
転嫁が進まない。所得流出が長く続くようなら、企業と家計に悪影響を及ぼしかねない。


内閣府によると、実質的な所得の流出入を示す日本の交易利得・損失は26兆円のマイナスと、
現行のGDP統計でさかのぼれる1995年以降で最大となった。


損失額は07年1?3月期の16兆円に比べて約6割の増加となる。